便秘症


◆子どもの便秘症とは

便秘は、便の回数が少ないか、排便が出にくい状態をいいます。週に1、2回の排便や、痛みや出血を伴う排便が続く場合は便秘と見なされます。長期間にわたり便秘が続くと、治療が必要な便秘症となります。便が腸内に滞留すると、水分が吸収されて硬くなります。硬い便を排便する際には痛みを伴い、子供は排便を我慢したり肛門をしめながらいきむようになります。これが続くと便が腸内に長時間とどまり、ますます便秘が悪化する悪循環に陥ります。定期的な排便を続けていると、多くの場合はだんだんと便秘症が良くなってきます。

◆原因

ほとんどの便秘症は、「機能性便秘症(きのうせいべんぴしょう)」と呼ばれ、体質的なものからきます。

まれに、腸や肛門、ホルモンや神経の病気による便秘症もあります。新生児期の早い段階で始まる便秘や、激しい腹痛、嘔吐、体重増加が見られる場合や、適切な治療にもかかわらず改善が見られない場合には注意が必要です。

◆治療

便秘症の治療には、生活習慣の改善、食事の見直し、便の軟化や排便を助ける薬物治療があります。

(1)生活習慣の見直し

食後に腸の動きが活発になります。朝食後、夕食後など、便意がなくともトイレに座るようにして排便習慣が定着するように働きかけていきます。

(2)食事の注意

特定の食材を多く摂ることは勧めておりませんが、食物繊維が便の量を増やし、軟らかくするのに効果的です。芋や豆、野菜、果物、海草などが良い例です。

(3)薬による治療

便を軟らかく保つ薬や排便を助ける浣腸や坐薬が利用されます。これらの治療をしっかり行い、便秘が改善されると、浣腸は不要になり、薬の量も減らすことができることが多いです。治療期間は慢性的な便秘症では半年から2年とされており、長くかかりますのでしっくりと焦らずに治していきましょう。

◆便秘症Q&A

 

Q:何日うんちが出ないと便秘ですか?

A:便はお腹にとどまる時間が長いほどに硬くなっていきます。3日以上便が出ない場合は、便が硬くなり便秘に該当する可能性が高いでしょう。また、毎日出ていても少量ずつしかでておらずコロコロの硬い便の場合も便秘と考えられます。

 

Q:どんなうんちだと便秘なのでしょうか?

A:水分が少なく、乾燥してコロコロとした便、ゴツゴツとした硬い便、大きくて硬い便などはすべて便秘の症状です。

 

Q:現在トイレトレーニングを行っているのですが、トイレがイヤでうんちをするのも嫌がります。便秘にならないかと心配です。

A:便が硬くて痛い思いをしてトイレを嫌がっている場合があります。そのような方は、便を軟らかくする治療をすることで排便はすっきり気持ちの良いことだと実感してもらえると思います。便秘治療をしながらトイレトレーニングを完了させ、その後薬をやめていくようにするといいでしょう。便が硬い方はぜひ一度ご相談ください。