舌下免疫療法


◆舌下免疫療法とは

舌下免疫療法は、アレルギーを引き起こす原因となるアレルゲンを少量ずつ体内に取り入れ、徐々にアレルギー反応を弱めていく治療法です。現在国内で行われているのはスギ花粉症とダニアレルギーの2種類に対してです。治療期間は3~5年と長期にわたりますが、抗アレルギー薬やレーザー治療などの対症療法とは異なり、スギ花粉症やダニアレルギーを根本から改善することができます。

◆スギ花粉症の舌下免疫療法

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどスギ花粉症の症状は生活の質に大きく影響します。「毎年花粉症に悩まされ続けてつらい」、「花粉症の薬を飲んだら眠くなり集中できない」、「薬を減らしていきたい」このように思われている方には特に舌下免疫療法をおすすめします。スギは80%前後の患者さんに改善効果 が認められています。 スギ花粉の飛散が落ち着く6月~12月頃を目安に開始しています。主に「シダキュア」という薬が使用されます。

◆ダニ(ハウスダスト)の舌下免疫療法

ダニ(ハウスダスト)アレルギーは、季節を問わずくしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が現れます。ダニの死骸が主にアレルゲンとして作用しますので、ダニをやっつけるだけでなく、吸い上げるなどして除去する必要があります。ダニは布団や絨毯、ソファ、畳などを好みますので、定期的に掃除機をかける、あるいは洗えるものは洗うことで対策しましょう。ダニアレルギーの根本的な治療法として舌下免疫療法があります。80%前後の患者さんに改善効果が認められています。スギの治療とは異なり、季節に関係なく治療を開始できます。治療に使用される薬として「ミティキュア」や「アシテア」があります。

◆子どもの舌下免疫療法は5歳から

治療方法は、舌の下に薬を置くだけです。1分間舌の下に置いて溶かし、その後、飲み込みます。薬剤を口で溶かすので、注射のように痛みを伴いません。小さなお子様でも治療ができ、当院ではおよそ5歳以上を目安としています。

◆よくある質問

Q:どのように治療していくのですか?

A:薬を毎日1日1回服用して体を慣らしていきます。月に1回程度の通院となります。初回は院内で薬を内服して30分間経過観察します。薬を服用して即座に効果が出るわけではなく、3~5年と長期的・継続的な治療が必要です。 

Q:気を付けることはありますか?

A:投与後のうがいや飲食を5分程度避け、運動や入浴を2時間ほど控える必要があります。また、服用後にアレルギー反応(口腔内の腫れ、痒みが多い)が見られることがあります。投与後30分間以内に現れ、1〜2時間以内に自然に回復する ことが多いです。こういった症状の有無を確認するためにも初回は院内で薬を内服し30分間は経過観察していただきます。なお、多くの場合、治療にともないこういった症状は徐々に出なくなっていきます。